親が引っ越しを嫌がる心理と対処法〜我が家のリアルな3年間の記録〜
はじめに
「そろそろ、こっちに来ない?」
親にそんな言葉をかけるのは、子どもにとっても勇気のいることです。
体力の低下や、もしもの時の不安から、近くで見守りたい。そう思っても、親は簡単に首を縦に振ってくれない——。
今回は、私の母がエレベーターなしの3階から引っ越すまでに3年かかった話を通じて、親が引っ越しを嫌がる心理と対処法をまとめます。
同じような不安や葛藤を抱えている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
なぜ親は引っ越しを嫌がるのか?
1. 住み慣れた場所を離れたくない
母が暮らしていたのは、エレベーターのない3階の低層マンション。
階段の上り下りは正直つらそうでしたが、「ここで40年暮らしてきたから」と、引っ越す気配はありませんでした。
- お気に入りの八百屋さんや病院
- 顔見知りのご近所さん
- 亡くなった父との思い出が詰まった部屋
それらを手放すことは、母にとって「今の自分を失うような感覚」だったのだと思います。
2. 生活を変えるのが不安
高齢者にとって「引っ越し」は、想像以上のストレスです。
段ボールを詰めたり、役所の手続きや電気・ガスの変更など、どれも煩雑で気が重いもの。
しかも母は機械に弱く、スマホやネットで情報を集めることも得意ではありません。
新しい町に馴染めるか、近所付き合いがうまくいくか——心配は尽きなかったと思います。
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高齢の親の引っ越しでは、体の負担を減らす工夫が必要です。
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3. 子どもに迷惑をかけたくない
「あなたに迷惑をかけたくないの」
母が繰り返していた言葉です。
一見優しい言葉ですが、裏を返せば「引っ越したくない理由のひとつ」でもありました。
特に高齢の親世代には、自立心とプライドが強く残っていることも多いです。
我が家の現実:「家賃の負担」と「見えない不安」
母が住んでいたのは、もともと家族4人で暮らしていた広めの賃貸物件。
でも父が亡くなってからは、年金暮らしの母ひとりにとっては、明らかに家賃が高すぎる状態になっていました。
私たち子ども世代からすれば、
「家計のことも心配だし、階段の上り下りも危ない」
という気持ちが強くなります。
でも母からすると、
「まだ何とかなる」「今さら他に行くのも大変」と、気持ちがついていかなかったようです。
占いで背中を押された、ある転機
そんな母に変化が起きたのは、父の死からちょうど3年が経ったころ。
ある日テレビで見ていた占い番組で、「今年は転機の年。動くなら今」というメッセージを見た母が、ぽつりとこんなことを言いました。
「もしかしたら、今が動くタイミングなのかもしれない」
——私にとっては、青天の霹靂(へきれき)でした。
母は昔から占いを少し信じるタイプで、大きな決断をするときには「タイミング」を気にする傾向がありました。
でも今回は、3年かけてようやく気持ちの整理がついた上での「きっかけ」だったんだと思います。
引っ越しを決意した最大のポイント
母が自ら動き出すようになってからは早かったです。
不動産屋に足を運び、住み慣れた町の中で、階段がない1階の物件を探し始めました。
「できれば買い物も今のままがいい」「近所の友達と離れたくない」
という希望を持ちながら、無理のない範囲で条件に合う部屋を見つけたのです。
結果的に、これまでと同じスーパーに通える距離の場所で、段差が少ない安全な1階の部屋に引っ越すことができました。
親が引っ越しを嫌がるときの対処法
1. 焦らず、時間をかける
私たちは「危ないから」「家賃も高いし」と思ってすぐに動いてほしくなります。
でも親には親のペースがあります。母の場合、3年かかりました。
気持ちが追いつかないうちは、いくら正論を並べても心に届きません。
焦らず、本人が納得するまで「見守る勇気」が必要だと痛感しました。
2. 小さな条件から一緒に考える
「引っ越してほしい」と言うよりも、
「階段つらくない?」「病院まで遠い?」といった日常の中の困りごとに寄り添うようにしました。
そこから「こういう場所ならどうかな?」と一緒に考える姿勢が、母の心を少しずつ動かしたように思います。
3. 本人の“動く理由”を見つける
最終的には、母自身が「今がその時かもしれない」と思ったことが決め手になりました。
占いでも、季節でも、親戚の誰かの話でもいいんです。
「本人が納得して動ける理由」が見つかったときこそ、行動のチャンスです。
まとめ:親の「心の準備」に寄り添うことが第一歩
親の引っ越しは、単なる住まいの問題ではありません。
それは「人生の次の章」に踏み出すかどうかの、大きな心の転換です。
私たち家族も、「早く引っ越してほしい」という気持ちと、母の思いとの間で葛藤しました。
でも今思うのは、本人が自分で「動いてもいいかもしれない」と思えるまで待ってよかったということ。
環境が変わっても、母の心が穏やかであることが一番大事だから。
【まとめ】
高齢の親の引っ越しは、想像以上にエネルギーが必要です。
なるべく体に負担をかけず、スムーズに進めるには「準備」と「外部の力」をうまく使うのがカギ!
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