親に成年後見人は必要?制度の意味・費用・失敗しない選び方

お金・制度

はじめに:親の認知症が進行してきた…お金の管理が不安なとき「成年後見人制度」が選択肢に

「最近、母が銀行の手続きで混乱していた」「父が怪しい電話に出ていたのを見て不安になった」——そんな不安を抱えていませんか?

高齢の親の判断能力が低下してくると、財産管理や契約などの手続きが困難になり、悪徳商法の被害や相続トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。

そこで知っておきたいのが「成年後見人制度」。これは、認知症や知的障害などにより判断能力が不十分な人を、法律的に支援する仕組みです。

本記事では、制度の基本から費用、申請方法、実際に起こりがちなトラブル事例、そして失敗しない後見人の選び方まで詳しく解説します。

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成年後見人とは?|制度の仕組みと役割

判断能力が衰えた人を法的に支援する制度

「成年後見人制度」とは、判断能力が不十分な高齢者や障がい者を支援するために、家庭裁判所が選任する代理人制度です。

後見人が就くことで、本人の代わりに次のような手続きが可能になります:

  • 預貯金の管理
  • 不動産の売却や契約
  • 介護サービスの契約
  • 悪徳業者との契約解除 など

制度には、主に3種類の支援レベルがあります:

  • 後見:判断能力がほぼない
  • 保佐:著しく不十分
  • 補助:一部で不十分

親族が後見人になる?専門家に頼む?

後見人には**家族(親族)**がなる場合と、**専門家(弁護士・司法書士・行政書士)**が就く場合があります。

項目親族が後見人専門家が後見人
メリット費用が安い、事情に詳しい専門的で安心、客観的判断
デメリット感情的対立のリスク費用がかかる、選任に時間がかかる

成年後見人が必要になるケース|どんな人に向いている?

親が認知症・悪徳商法に狙われている

最も典型的なケースが、認知症の進行により金銭管理が難しくなった場合です。詐欺まがいの電話や訪問販売に引っかかり、高額な商品を購入してしまうこともあります。

また、公共料金の支払い漏れや通帳の紛失など、「これまでできていたことが急にできなくなる」ことがサインです。

兄弟姉妹間で相続や金銭トラブルの心配がある

親が判断能力を失ったとき、家族間の財産トラブルが表面化しやすくなります。

  • 誰が通帳を管理するか
  • 不動産の売却に同意できない
  • 相続人間で「お金の使い込み」を疑う

こうした事態を防ぐため、中立的な第三者としての後見人を立てることが有効です。


成年後見人を頼むには?|申請の流れと費用の目安

家庭裁判所に申し立て(必要書類など)

成年後見制度の利用には、家庭裁判所への申し立てが必要です。主な流れは以下の通りです:

  1. 必要書類の準備
    • 申立書
    • 診断書(医師による)
    • 財産目録・収支予定表など
  2. 家庭裁判所へ提出
    • 本人の居住地を管轄する裁判所へ
  3. 審理・調査
    • 裁判所調査官との面談など
  4. 後見開始の審判
    • 約2~3ヶ月で後見人が決定

申し立ては本人・配偶者・四親等内の親族が行えますが、専門家に依頼することでスムーズに進められます

後見人申請サポートを専門家に依頼する

費用は誰が負担する?専門家に依頼する場合の相場

申立てにかかる費用の目安は以下の通りです:

費用項目相場
裁判所への申立手数料800円~1,600円
鑑定費用(必要な場合)約5万~10万円
専門家報酬(申立代行)約10万~20万円

また、後見人(専門家)に月々報酬を払う必要があります。

| 後見人報酬の目安 | 月額2万円~6万円(財産の額により変動) |

これらの費用は原則として本人の財産から支払うことになります。


失敗しないための注意点|トラブル事例と対策

親族間の対立/意思疎通が困難になるケース

よくあるトラブルの一つが、兄弟間の意見の不一致です。

「兄が親のお金を勝手に使っている」
「妹が勝手に後見人に立候補した」

といった疑念が生まれると、家族関係が崩れてしまいます。

【対策】

  • 親族間で事前に協議・同意を取る
  • 中立的な第三者専門家を後見人に選ぶ

悪質な後見人に注意!見極めポイントとは

残念ながら、後見人による横領や不適切な財産管理がニュースになることも。

【チェックポイント】

  • 収支報告をきちんと行っているか?
  • 定期的に家庭裁判所に報告しているか?
  • 本人の意思を尊重して行動しているか?

専門家選びに迷ったら、信頼できる士業紹介サービスの利用が安心です。

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まとめ|親に必要かどうか?判断するためのチェックリスト

以下の項目に3つ以上当てはまる場合は、成年後見人の利用を検討しましょう:

✅ 親が認知症と診断された
✅ お金の管理があやしくなってきた
✅ 悪徳商法や訪問販売にひっかかりそう
✅ 兄弟間で親の財産について揉めそう
✅ 不動産や相続の手続きが必要になった

成年後見人制度は、親を守る大切な選択肢のひとつです。費用や制度に不安がある方は、まず無料相談や資料請求から始めてみてください。


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